障害者になって思った幾つかのこと

脳幹出血で倒れてから11年、障害者になって思った幾つかのことを忘れないうちに記録しておこうと思いブログを始めてみました。 一応社会復帰は果たせたので実際に社会に出て思った幾つかのこと、趣味のギターをしつこくも続けているのでそれにまつわる幾つかのこと、いろんな事を思いつくままに記録して行こうと思ってます。

 白状します。わたしは開放弦のミュートが出来ません。
 と言ってみたところで開放弦のミュートって何?という人も多いと思われるので簡単に説明します。
 たとえば3弦7フレットの音(D)を出す場合1〜2弦は左手の余った指で触れて鳴らないようにします。4〜6弦は右手でブリッジミュートかけます。結果的に出したい音(この場合3弦の音)以外が鳴らないようにする訳です。
 もの凄くざっくり説明しましたがこのミュートと言うテクニック、実はもの凄く大切なテクニックでありまして、一部ではミュートの上手さがギターの上手さという人という人がいる位大切なテクニックなのです。
 個人的に思うのですがギターが上達していく過程において音を出す事より必要のない音を出さないこと(すなわちミュート)に意識を置いて練習した時期があったほうが良いのでは?と思うくらいに大事なテクニックだと思います。
 その大切なテクニックが出来ないわたしがどうしているのかと申しますと...道具に頼っております。
IMG_0146 こんなような道具であります。元々右手でタッピングする時にミュートができなくなるのをなんとかしようという事でマイケルアンジェロというギタリストが考案したパーツで...ミュートダンパーと言うらしい。
 こいつのおかげでなんとなく弾けてる風に見えるという、今となってはなくてはならない道具であります。
 ただ、弱点もあります。開放弦を絡めたプレイをしようと思ったら素早くミュートを外すテクニックが必要になること。フェルト部分を持ち上げるだけなのですが素早くやろうと思ったらそれなりに技が要ります。
 それに加えて、ナット寄りをミュートしているので余りにハイゲインサウンドだとミュートしきれない時がある事。などですが無いよりはあった方が全然良かったりします。
 ただ結構コストがかかるのとギターに取り付けると気軽には外せなかったりするのがどうも気になる所ではあります。
そこに現れたのがこいつ(フレットラップス)です。IMG_3213 
 これは巻きつけてベルクロで留めるだけ(1弦が切れてるじゃないか)。
 実に気軽であります。
 開放弦を使おうと思ったら ナットよりヘッド側に力づくでずらすという、あまりスマートではない手段に出なければいけない(この点に関してはミュートダンパーのほうがスマートだったりします。ミュートしているフェルトを持ち上げるだけですから)。
 しかしフレットラップスが 優秀なのは手軽さに加えてミュートが確実な事。たとえば人差し指12フレットのEmを弾いてる時フレットラップスを8フレットあたりまでずらしてやればミュートはほぼ完璧です。
 ただ開放弦使おうと思ったらミュートダンパーのほうが楽です。この辺のことを考慮するとライヴの時はミュートダンパー、レコーディングの時はフレットラップス...使い分けたほうが良いのかな?と思います。
 この手の道具を使うのは最初は抵抗がありました。インチキしてるみたいで...だけど、そんなこと言ったら杖ついて歩くのはインチキなのか?とか考えるようになって...今では使えるものは猫の手でも使ってやる!とか思うようになって...大分気が楽になりました。音を楽しむのに苦しんでどうするってね。 

結局どっちなの?
 グラスネイルと釣り名人、結局どちらが良いのか?
 結論、コレはもう好きな方にして下さい…と言うのではあまりに不親切なので自分なりの使ってみた感想を…
 グラスネイルはハケで塗って硬化液をスプレーすると10秒くらいで硬化します。また何度でも重ね塗りが出来るので好きな厚さにするのが簡単です。ただし、消毒→角質除去→脱脂→ミクスチャー(爪に塗る液体)作成→ハケで塗る→スプレーで硬化→ヤスリで成型…ハッキリ言って面倒くさいです。
 対して釣り名人の方は爪にたらして爪楊枝や針金で伸ばして乾かせば終わりです。ただし乾くのにはそれなりの時間(10分くらい)を要します。
 使ってみた感じだと釣り名人はサラサラの液体なので厚塗りには向いていないように思いました。対してグラスネイルが接着剤にパウダーを混ぜたドロドロの液体なので厚塗りには向いているかと、しかも硬化させたうえからさらに重ね塗りも出来るので厚さに関しては自由自在なように思います。
 コーティングの厚さはトーンに大きく影響しており実際のピック同様にグラスネイルは厚いピックのようなトーン、釣り名人は薄いピックのようなトーンがします。この辺は完全に好みの問題だと思うのですが、わたし自身以前は厚いピックを使っていたということもありグラスネイルの方が好みであります。
 次にプレイアビリティに関してですが...はっきり言ってわかりません。何を無責任な、と思われるかもしれませんが右手が麻痺している以上細かい違いなどわからないのであります。許してくだされ。
ただどちらにしても引っかかりの無いようヤスリでていねいに研磨することが大切なポイントかなと思います。
 次にお値段ですが、これはもうぶっちぎりで釣り名人が安い。Amazonで1gの物が¥327です。対するグラスネイルはギタリスト用トライアルキットで¥4536、ギタリスト用グラスネイルキットに至っては¥15444です(同じくAmazon)。もう話になりません、コストで選ぶなら釣り名人に決まりでしょう。

 で、わたしはどうしているかと言うと両方使ってます。レコーディングやライヴなど勝負どころではグラスネイル、家でだらだらとプレイするときには釣り名人。
 本当ならグラスネイルで行きたいんだけどなにしろ高い、面倒くさい。だから普段は釣り名人...で、最近は勝負どころがほとんど無いので結果的に釣り名人ばかり使ってるのであります。
 だから判定するならドロー...つまんない判定でごめんなさい。

どの指に塗れば良いの
 どの指に塗れば良いのだろう?わたしは考えました。世のフィンガーピッカー達はどうしているんだろう?わたしは思い出しました。40年以上前、ロックに目覚める前のわたしはフォークギターを弾いていたことを。22才の別れ、なごり雪、精霊流し、などを弾きながら歌っていたことを。ああ黒歴史...
 フォークギター時代のことを思い出しまずは小指以外の4本にコーティングしてみました。だけれども今のギタースタイルは完全にエレキギターのそれです。しかも右手に麻痺が残っている状態でフィンガーピッキングなんて出来るはずもなく、だから4本の指にコーティングなんて時間とお金の無駄でしかありませんでした。
 しかも当時はまだ釣り名人の存在を知らなくてグラスネイルを使っていたのですから...結局コーティングするのは親指1本にしました。なぜ親指か?サムピックという存在があるのを考えたら普通は親指だろうと、それしか考えつかなかったのです。
 親指にコーティングして練習するのですが上手くいきません。コーティングした爪で弦を弾こうと思ったらどうしても右手のフォームがアルペジオ奏法のときのようになりすごく弾きづらいのです。第一開放弦のミュートができないのでノイズが酷く、ハイゲインサウンドでプレイすると何を弾いてるか本人以外には全くわかりません。
IMG_3284 結局爪にコーティングして指の腹で弾くという訳のわからない状態でしばらくの間やり過ごしていました。
 写真はわたしが普通にピックをつまんでいる写真ですが、このピックのような角度で爪が生えてこないかしら、なんてバカなことを真剣に願っておりました...本当にバカですな。
 そんなある日グラスネイルの存在をわたしに教えてくれた先輩の家に遊びに行きました。
 ギターを弾いている先輩の手元を見るとピックを持ってごく自然に弾いているように見えました。しかしよく見るとピックを持っていません。IMG_3288
 わたしは尋ねました「いまどの指で弾いてるの?」
「何言ってんの?こういう場合普通人差し指だろう。」とあっさり答えてくれました。
 目からウロコとはこのことです。上の写真と比べてみてください。ピックと人差し指の爪が同じような角度で出ています。
 今までサムピックの存在を意識するあまり親指で弾くことしか考えてなかったのですが、ちょっと視点を変えるとなんて簡単な...こんなことになぜ気がつかなかったのか?固定観念に縛られていたんですな。
 早速人差し指にコーティングを施し演奏してみました。非常にラクです。今までの苦労はなんだったんだろうってくらいスムーズに演奏できてびっくりしました。
 今まで一歩づつリハビリしてきたのですが今回の一歩は非常に大きな一歩となりました...ここからギターに関するリハビリは一気に加速してゆくのでした。先輩に感謝です。
 
 







  

 タイトルだけ見ると何のことかさっぱりわからない方が多いのではないでしょうか。グラスネイルは前回の記事で少し触れたので何となく分かるかなとは思いますが "釣り名人" なんて、ギターとなんの関係があるのか…そもそも釣り名人て何?なんて思ってる方がほとんどでしょう。
 釣り名人とは瞬間接着剤の製品名で、数あるアロンアルファの中の1種類であります。瞬間接着剤?…そうです。瞬間接着剤を爪のコーティングに使用するのです。
 Amazonのレビューを見ると殆どギタリストのレビューで埋め尽くされているという現実…フィンガーピッカーの間ではかなりメジャーな存在なのであります。


グラスネイル 
 グラスネイルは元々はファッション業界発の爪補強液であったものが、その手軽さ、強度、施術後の音色変化の少なさからあっという間にギタリストの間にも広まっていたモノで、押尾コータローさんなんかも愛用中です。
IMG_0467  これがセットの写真なのですが簡単に工程を説明すると、スプレーで爪を消毒→軽石で爪の角質を除去→スプレーで爪を脱脂→パウダーと接着液を混ぜて爪に塗布を5回くらい繰り返す→十分な厚さになったところで硬化液をスプレーして固める→ヤスリで整形...以上でありますが正直なところちょっと面倒くさいです。 
 しかしプレイアビリティや音色に関しては現時点では最高の選択であるかな?と思われ、さすが多くのトッププロに愛用されているだけのことはあるな。と思わせてくれます。


アロンアルファ釣り名人 
 元々は接着剤なのですがどういう訳かギタリストからは爪の補強剤として認識されているという良くわからない製品なのですが、Amazonのレビュー21件中20件がギタリストのレビューでしかも比較的高評価ということで実際に使ってみました。悪くない...というか十分に実用的です。IMG_3276
 これなんですが、見たこと無いかな?使ってみるとわかると思いますが普通の瞬間接着剤ほど瞬間では硬化しません。なのであまり慌てて作業する必要はありませんが、その分多少の乾燥時間(10分程度)はおいたほうが良いかと思われます。できれば30分くらいおいた方が良いかもしれません。 
 瞬間接着剤だからといって塗ってすぐにギターを弾いたりなんかすると悲しい結果が待っています。
 あとですね...瞬間接着剤を使うにあたって一つ注意して頂きたいことがあります。瞬間接着剤は一度封を開けたら(注入口に穴を空けたら)寝かすのはよしてください。寝かすと注入口に入り込んだ接着剤が硬化して使い物にならなくなります。皆さんも経験があるのでは無いでしょうか?注入口が硬化して最後まで使い切れなかったなんて...わたしはそんな経験山ほどあります。なので瞬間接着剤はこうやって保管しています。IMG_3283 
 これは百均で買って来た小さいタッパーに穴を開けてそこに接着剤を立てて保管しているところです。何かの拍子で倒れたりしないようテーピングで穴をきつくしています。こうすれば最後まで硬化させることなしに使い切ることができるでしょう。少なくともしょっちゅう接着剤を硬化させてダメにすることは無くなるとおもいます。
 肝心の使い方ですがこちらはいたってシンプルです。爪に何滴かたらし爪楊枝か何かで拡げる...またはたらした後爪を少しづつ色んな角度に傾け接着剤を拡げていく...これだけです。刷毛とかがない分慣れるまでは難しいかもしれません。
 どちらにも良いところもあれば悪いところもあります...好みで選んでください!というのもアレなので次回は実際に使った感想なんかを書いていきたいと思います。

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