その日はついにやって来た...退院の日である。
 振り返ると5ヶ月なんてあっという間だった...楽しかったからな〜。
 午後には叔父さんが迎えに来てくれる事になっている。
 とりあえず午前中に最後のリハビリ→体重測定を済ませて、最後の昼食を済ませてから退院。という予定であった。
 最後のリハビリ...作業療法はいつも通り淡々とこなした。
 理学療法は入院当初担当してくれた若い、可愛い、怖いの三拍子揃った彼女が担当してくれた。30分間ひたすら話をしながら歩いただけだったが...
 彼女には本当にお世話になった。一生寝たきりと宣言された私をどうにか杖歩行できるまで導いてくれた。怖かったけど...
 すべてのリハビリを終えた後、特別にシャワーで汗を流すことを許された。退院が決まったということは一人で入浴する許可も降りていたということである。
 問題の体重だが80kgジャスト!とりあえずは目標達成である。ヤレヤレ...

 最後の食事を済ませて後は迎えを待つばかりという時にサプライズが...理学、作業、言語、すべてのセラピストから寄せ書きを頂いたのだ。嬉しくてホントに泣きそうになったが必死で堪えた。カッコ悪いもの。
 「その下手な鉄砲も数打ってればいつかは誰かにHitするかもよ!」なんて書いてあるのを見つけた時には膝から崩れ落ちそうになった...今だから言おう!わたしは入院中下手な鉄砲を打ちまくっていたのだ!旅の恥はなんとやら........因みに下手な鉄砲は未だに誰にもHitしていない...
悪かったな!!!

 そのうちにお迎えが到着した...ここに転院してきた時と同様にあっという間に退院の為の荷造りを済ませ、これまたあっという間に退院手続きを済ませ、病院を後に...別れを惜しんでる間もなければ感傷に浸ってる間もない、気に入ったあの娘と連絡先を交換する間もなく、車に乗せられ(乗せていただいて)家路に着きました。
 そうです叔父さんは超がつくほどのせっかちだったのです。

 自宅は昔料亭を営んでいて家の中は階段が多く障害者が一人で住むのは無理だろうということで親族がワンルームマンションを借りておいてくれた。
 今日からここが我が家である...都会で一人暮らしをしていた時を彷彿とさせる新居をまずは気に入り、入院中のこと、これからのこと、一人になった不安、いろんなことを考えてしまった。どうせなるようにしかならないのだ、考えるのは止めよう...開き直ろうともした。

 書いていていろんなことを思い出してしまった...なんか泣きそうである。
 ホントに楽しかったな...

 退院する時に親しい看護師に言われた言葉がある...
「ここはゴールじゃないから、スタートだから。辛いのはこれからだよ!厳しいのはこれからだよ!頑張ってね。」
 社会に出て時間がたてばたつほどこの言葉が身に沁みている。
 まさかこんなに厳しいとはな...