結局運転は出来たのかって?
 出来たんだなこれが。
 倒れた当初というかその後もずっと私が運転できるようになる事を予想していた人間は一人もいなかった。運転できない車の
維持費を支払っていくのは勿体ない。という事で倒れる以前に乗っていた車は私が目覚めるのを待つまでもなく廃車にされていた。
 自分的にもその事については何も疑問に思ってはいなかった。運転なんて絶対に不可能だと思っていたから...。

 しかしこの田舎町、車がないというのは大変に不便であった。
 町内どこに行っても
百円の福祉バスというものがあるにはあったが、それまで自家用車で好きな時間に移動ができていたことを考えると若干の不便さを感じずにはいられなかった。
 身障者手帳を提示すれば
タクシーが一割引になるサービスもあったが、自家用車の便利さに慣れている自分にとっては結構な不自由さが感じられた。
 贅沢になりすぎたと言ってしまえばそれまでなのだろうが、人間一度楽な方に流れてしまえば元に戻るのは至難の技なのだ。特に私のような怠け者にとっては殆ど不可能と言って良い。
 
 退院した次の月が偶然にも免許書更新の月であった。
 このまま免許を返納してしまうのも納得がいかない。改造車限定を付けるとかすればどうにかならないだろうか?と思い地元の警察署に相談してみた。

 すると「
警察署(交通安全協会)指定の診断書があるから入院してた病院の主治医に記入してもらって来なさい。」と言われたので早速警察署に診断書をもらいに行ってきた(その時はまだ運転できないのでおじさんに頼んで連れて行ってもらった)。
 見ると運転の条件に関して記述する欄があり、主治医が記入してくれた条件と警察が提示する条件を照らし合わせて運転の可否を決定する。と言う事のようだった。

 早速病院と連絡を取り指定された日時に診断書の記入をお願いしに行った(またもや連れて行ってもらったのだけれど)。書きあがった書類は郵送していただくよう手続きをして(車で片道2時間かかるから遠くて...)病院を後にした。

 診断書は数日で返送されて来た。封がされていてよくわからなかったのでとにかくそれを持って免許の更新に行った。

 免許センターでは
体の事に関する面接(結構長かったように記憶している)ちょっとの実技試験(コースを一周回っただけだった)が行われた。
 結果
2輪車には乗れないという限定付きで無事免許証は交付された。一切改造する事なしに普通に車に乗れてしまう...ほんまかいな?

 これはマジで嬉しかった...それまでは例えばラーメン煮る鍋を調達してくるにもバスか、タクシーか、友人に頼むかしないといけなかったのだから...自分の時間軸で動けないと言うのは不便なものなのだ。
 都会のように10分おきに電車が来るとかならまだしも、
一日に二本しかバスが通らなかったりするような田舎だと車は必需品なのである。

 これで行動範囲が劇的に広がる!やったでぇぇっ!
 と、思った次の瞬間自分の車が既に廃車にされていた事を思い出した...
なんでやねんっ!?