9月に退院してから年内いっぱいくらいは自動車のない生活をしていた。
 10月に運転免許の更新がありその時”障害の事をふまえた上で運転が可能である”という内容の
診断書を当時の主治医に書いていただき実際に簡単な実技試験を行った結果、二輪車不可の限定はついたものの運転免許を更新する事ができた。
 しかし当時は完全にわたしが寝たきりになる前提で世の中が動いていていた。それまで乗っていた車などとっくに廃車にされていたのだ。

 思い出すとえらく
不便な毎日であった。
 退院していきなりワンルームマンションで一人暮らしを始めたので生活用品が
何もない所から(ベッドとテレビと固定電話の三点は親族が実家から運んできておいてくれたが)のスタートになった。
 冷蔵庫と洗濯機は思い切って
新調した。だから電気屋さんが運んで設置してくれた。
 問題は台所用品なのであるがこれは自分ではどうする事もできなかった...結果友人が仕事終わりに車を出してくれたのでホームセンターでまとめ買いする事ができた。
持つべきものは友人である...

 地元の病院でもリハビリは継続していた。だから毎日通院していた。
片道2.5kgの距離を歩いて通っていたのだ。今じゃとても無理である...車に乗れなくて不便な分身体は鍛えられたような気がする。
 まぁ、時間が合えば
福祉バスなんかも利用していたのだが片道だけは歩くようにしていた。
 車に乗れるようになった途端に歩かなくなったけど...あの時継続して歩くようにしていたらと思う事が時々あるが私の性格では絶対に無理だったろうから考えない事にしている。わたしは
筋金入りの根性無しなのだ!
 世のおじさんが「今の
若いもんは根性がないからダメだよ。」なんて言ってるのを耳にすると思わず小さくなってしまう...全然若くはないのに、むしろおっさんなのに...同級生の何人かにはすでに孫がいる事を考えるともはや爺さんじゃねーか!
 
 そうこうするうちに医療保険を使ってのリハビリ限度日数である180日が経過した...
180日過ぎれば症状も固定しそれ以上の回復は見込めないから医療保険は使えなくなる。というのだ、なんだかすっきりしない。
 わたしは
要支援2の介護認定を受けていたからそこから先は介護保険を使って老健でやりましょうということになった。完全に老人である。 
 ここですっきりしないことがもう一つ。わたしは現在障害者年金を受給しているのだが、年金の申請時期について不思議に思うことがある。わたしのような脳血管障害のものが障害者年金を申請できるのは発病から1年半が経過してからなのであるがその理由というのが...症状が完全に固定するのを待ってからでないと申請できないからでありその期間が1年半だというのだが。
 ???
医療保険は180日、年金は1年半、その間にいる人はどうなるんだろう?頼むから足並みは揃えようぜ...これが縦割りというやつか?

 これ以上書いた所で何も起こらないだろうから...
 たぶん10月くらいから
老健に身を移したんだと記憶しているのだが。そこはとてもじゃないが歩いて通える距離じゃなかったので行きは福祉バスで、帰りはデイサービスの方々が利用する送迎車を利用させてもらっていた。

 そうこうするうちに年末である。年末に嬉しいニュースが飛び込んできた。
自動車が手に入る!
 叔父さんが車を買い替えるので今まで乗っていた車を頂けるというのだ。しかも車検が1年残った状態である。どうやらわたしの死を待たずして車を廃車にしてしまったことを気にされていたみたいだ。まったく叔父さんにはいくら感謝しても感謝したりない...なかなか伺う機会がなくてすみません。お願い事がある時ばかり訪ねていくお調子者ですみません。
 喜んだのはいいが、自動車の運転てこんなに
難しかったか?こんなんでよく更新できたな?あれ?ぶつけちゃったー!てな具合で慣れるまでには多少の時間を必要としたのである。
 最初は本当に怖かった。
車なんて要らねーっ!とすら思ったもの。